人生半分以上がこの島暮らし。いつまでもオトナになりきれないワタシの徒然なる日々。

2005年06月01日

オバーの往生と、あのニュース。

オバーの往生と、あのニュース。梅雨の晴れ間の中、夫の伯母の告別式が無事に終わりました。
このオバーはもう80歳で、数年前から糖尿やガンを患い入退院を繰り返してたんで周囲も少しずつ別れの準備が出来てたというか、今日はもう家族の人達もみんな心穏やかな様子で、とても静かな式でした。

ところで天寿を全うしたオバーを見送っていた私の耳に、ここ数日
「沖縄の離島で…」
なんて冒頭から始まるニュースがひっきりなしに入ってきてました。
そう、例の自殺志願者達が北大東島へ来て命を絶ったっていう、あの事件です。

この人達はまあ他の土地からやって来た旅行者だったワケですが、ご存知だったんでしょうかね、あの島を擁する沖縄県が実は、住民男性の自殺する比率が全国で3位以内に入っちゃうようなトコだったってコトを。

「長寿の島」とか「癒しの楽園」とかメディアはよく形容しますが、実際にここで暮らす人達はぶっちゃけそんなに幸せじゃないって罠。失業率の高さと自殺率って関係があるらしいけど、まさにそのパターンにハマってるってんでしょうか、ツラかったり低賃金な仕事しかなくてお金に困ったヒトが思いつめちゃって…ってケースが殆どなんだそうです。(つД`)

「今日、この告別式のあとトモダチの初七日にも行かんといけんってば」
宜野湾と金武を義母の送迎の為に往復したワタシと義姉だったんですが、その道中で助手席に座る義姉が突然、こんなハナシを始めたんですよ。
ダンナの親友だったヒトが1週間と少し前に失踪して、数日後に某所海岸で自殺してたのが発見されたんだとか。
享年40歳。若過ぎますよね。

奥さんとお子さん、そして何とお孫さんにまで恵まれ、昼も夜もお店を経営するとても働き者な人だったそうです。
遺書が残ってないのではっきりとした動機がわからないそうなんですが、県民男性の自殺の理由ってお金に困った以外に「人間関係で煮詰まった」ってのも少なくないらしく、もしかするとこの人の身にも何かあったのかもしれません。
狭い社会ですから、男の人達の結託っぷりってハンパじゃないんですよ。みんな子供の頃からのつきあいだったりお酒を飲んでたりするんで、イイ年なのに未だガキ大将と子分、なんて関係が続いてるような人達も見かけるし。
「断れない」って事態が、たびたび発生するんです。

あと県民性なのか何なのか、悪い言葉だけど「泣き寝入り」するヒトも多い。
「しむさー、アッターにやらせておけー」(もういいよ、アイツらの好きにさせておけ)
「ワンびけー我慢しーむん、丸くうさまいさー」(オレだけ我慢してたら、丸くおさまるだろ)
こんな感じのセリフを、すごくよく聞きます。ワガママな友達、キツ過ぎる奥さん、自分達のやり方を押し付けるだけのナイチャー上司や仕事先、その他モロモロに対し、自分達はロクに反論もせずに夜な夜な酒を喰らうだけでやり過ごしてる。

こんな悪条件が、ウチナーイキガーター(沖縄の男性達)の背景には揃ってる気がします。

沖縄は、確かに美しい南の島。
美味しい食べ物、キレイな海、そして賑やかな家族に囲まれ、往生を遂げるオバーは多いです。
だけどそれとは対照的に、島が抱える問題の犠牲になってしまう人も少なくないんです。

あの北大東の3人にも、南の島がキレイなだけじゃないってことを知ってて欲しかった。
そうすれば何かが変わってたかもしれない…なんて考えてしまうのは、甘いでしょうか。



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